日本銀行が政策金利をおよそ31年ぶりに1パーセントに引き上げました。
私たちの暮らしにどのような影響があるのでしょうか。専門家に聞きました。
日本銀行は16日、政策金利を1パーセントに引き上げることを決めました。1995年以来、およそ31年ぶりとなる高い水準です。政策金利は、金融機関が金を貸し借りするときの基準となる金利です。
中小企業診断士でファイナンシャルプランナーの大下憲彰さんは、利上げが家計や企業に与える影響は一様ではないと言います。
中小企業診断士 2級ファイナンシャルプランニング技能士 大下憲彰さん
「借り入れ依存度の高い人たちと、そうでない人たちとの格差ですとか、世代間の格差っていうのが広がると」
住宅ローンを組んでいる人のうち、およそ8割は変動金利を選んでいて、金利の上昇により返済の負担は増えます。特に住宅を購入したばかりで、住宅ローンの残高の多い若年層ほど影響が大きくなります。一方で、住宅ローンを完済した人や預貯金を多く持つ高齢層などは、預金金利の上昇による恩恵を受けることが期待されます。
一方、預金金利が上がっても、物価上昇のペースに追いつかなければ、資産価値は目減りしてしまいます。
中小企業診断士 2級ファイナンシャルプランニング技能士 大下憲彰さん
「近年毎年、日本の物価がざっくり3%ずつ上がっているんですよ。そんな中で預金金利が0.数%上がっても追いついていないので、どこまで恩恵があるのかっていう点では議論の余地があるんじゃないかなと思っています」
影響は企業にも及びます。コロナ禍や物価高の局面で借り入れをした企業では、利息負担の増加が経営を圧迫する可能性があります。
中小企業診断士 2級ファイナンシャルプランニング技能士 大下憲彰さん
「コロナ融資ですとか、そのあとのウクライナ戦争の物価高とかね、あれでお金を借りて、ただビジネスモデルの転換がうまくできていない会社はここにきてさらに利上げで、金融機関に払う利息が増えるので、やっぱり苦しい会社にとってこれから残念ですけど、さらに苦しくなる状況が考えられます」
こうした中、日本銀行下関支店の新しい支店長に就任した菅山靖史支店長は、地域経済への影響を見極めていく考えを示しました。
日本銀行下関支店 菅山靖史支店長
「山口県内で今のこの金利水準についてどういった受け止めがなされているのか。それが実際、景気であるとか物価にどのような影響をもたらせていくと思われるのか。そういったところについて、地域の方としっかり議論を深めて、私どもの適切な金融政策運営に生かしていきたいと」
今回の政策金利の引き上げは、住宅ローンや預金、企業経営など、幅広い影響を及ぼす中、お金との向き合い方を見直すきっかけにもなりそうです。













