「娘を返して」女子大生の両親の思い
亡くなった女子大生2人は、アルバイト先の友人どうし。その日は観光で福岡県から下関市の水族館に行き、岩国市の飲食店や錦帯橋に向かおうとしていたとみられます。
検察が証拠として提出した供述調書によると、軽乗用車を運転していた女子大生の両親は「娘は大学に通い、看護師になる努力をしていた。娘がしてくれたネイルをいまだに落とせないでいる」「怒りでどうにかなってしまいそう。絶対に許すことはできない。娘を返してくれ」などと述べています。
また、同乗していた女子大生の両親は「事故現場の高速道路を通るたびにつらく、涙があふれる」「遺体と対面し、本当の絶望を知った」などと胸の内を明かしています。
被告人が話した”事故の真相”
被告人質問で、弁護側が男に事故の原因を問うと、男は「前を向いたときに白い車が見えたが衝突してしまった。居眠りはしていない。軽乗用車は赤く燃え上がっていた」と答えました。
また、なぜすぐに助け出さなかったかについては「燃えている車を見て怖くなって近づけず、助け出せなかった」と話しました。そして「自分の慢心と、運転に対する注意力が不足していた」などと述べました。
検察と弁護側の主張は
検察は、トラック運転手という職業だったにも関わらず、極めて基本的な注意を怠り、10秒以上は前方を見ていなかったと指摘。被害者に落ち度は全くなく、渋滞で停止中だったことから逃れることができない事故で、男には厳しい刑罰を与える必要があるとして、拘禁刑2年6か月を求刑しました。
一方弁護側は、男が今後二度と車を運転しないと誓っていることや、勤務していた会社を退職するなど社会的制裁を受けているとして、寛大な判決を求めました。
男が最後に語ったこと
初公判の最後、証言台に立った男は「不注意というトラックドライバーとして、してはいけない事故をした。絶対に許されないこと。結果がどうであれ真摯に受け止め、一生かけて償っていきたい」と述べました。













