新たな才能にスポットを当て「詩の登竜門」とされる中原中也賞の選考が21日、中也の出身地、山口市で行われ京都府の成清朔さん(26)の詩集が選ばれました。

今回の中原中也賞は去年11月までの1年間に刊行された現代詩の詩集から応募や推薦のあった276点が審査されました。

選考会では7点にまで絞られた作品が、5人の選考委員により審査されました。

伊藤和貴山口市長
「成清朔さんの詩集『彼方の幽霊』に決定をいたしました」

「彼方の幽霊」は成清朔さんの初めての詩集です。

19編からなる詩集で「私家版」と呼ばれる書店などに流通しない自費出版です。

「いまを生きる個人の主体と身体を詩に導き入れようとしていることや、葛藤が見て取れ、そこに評価が集まった」として全会一致で受賞が決定したそうです。

選考委員 川上未映子さん(作家・詩人)
「いろんなものの性とか生きづらさとかそういったものを静かに告発する内容もあるかもしれないんですが、でも、このような声で語られたこと、このような文章で語られたこと、このような場所から語られたことはないんじゃないかというような静かな、新鮮さに満ちたすばらしい詩集だと思います」

31回を迎えた中原中也賞は、山口県山口市出身の詩人、中原中也の業績を顕彰するとともに、新たな才能にスポットを当てる詩の登竜門として認められています。

選考委員 カニエ・ナハさん(詩人)
「うん、私も中也は大好きなので、中也は詩を書いたって以上に詩を生きたっていう感じの方なので、そういう意味で成清さんも、この詩集から想像するばかりなんですけど、かなり人生における詩のウエイトが大きいんじゃないか、重たいんじゃないかなっていう、詩を生きている方なんじゃないかなって言うところで中也と重なるというかね」

授賞式は4月29日に山口市で行われ、受賞作の一部が文芸誌「ユリイカ」に掲載されます。