山口県岩国市を舞台にした映画の制作が進められています。
新しく生まれるまちなみと変わらない風景…街の姿を物語を通して映像で残し、記憶に刻むことで次の世代に伝える。
岩国市出身の俳優と市民がタッグを組んだ、まちづくりにつながる取り組みです。

2024年11月中旬の早朝、日の出に合わせて撮影が始まりました。

主演を務めるのは岩国市出身の俳優、松林慎司さんです。

視線の先にあるのは「甲島(かぶとじま)」。
松林さんが中学・高校と6年間、毎日見ていた島です。

島が浮いて見える日は自分にとっていい日。「かぶと島が浮く日」。
学生時代に松林さんが感じていたイマジネーションが、映画のタイトルになりました。

俳優 松林慎司さん
「きっと気持ちの問題なんですよね。浮いて見えるその日はいい日だっていうのが象徴、自分の気持ち。浮くわけないんですから。近くに見えたり、遠くに見えたりとかって、気候的なものっていうのはわかってるんですけど」

メガホンを取るのは、片山享監督。

松林さんは、片山さんが故郷・福井県を舞台に、ふるさとへの郷愁や葛藤、希望などの心情を描いた映画「いっちょらい」で主演を務めました。

今回の映画では高校時代、野球部で汗を流した同級生2人が40代後半にさしかかり、ふるさとと向き合う姿が物語を紡いでいきます。

片山さんも松林さんと同じ40代。

松林さんが「かぶと島が浮く」と言った意味を考えました。

片山享 監督
「『今浮くんですか?』っていうと『最近は浮いてないな』って言うんで、最近は浮かない理由が必ずある。40代のおじさんの話ではあるんですけど、折り返しだったりとかいろんなことを思う世代なので、そこが起因してるんじゃないかな、かぶと島が浮くっていうことに」