高齢者が関係した交通事故の多発が社会問題化しています。高齢化が進み、車が生活に不可欠な県内の事故の実態はどうなのか?そして、事故を減らすためにどんな取り組みがされているのか、取材しました。
今年4月。山口県山口市で高齢夫婦が乗った軽乗用車が中央分離帯に衝突する事故がありました。運転していた夫が死亡。県は今年に入って2度、「交通死亡事故多発高齢者警戒情報」を発令しています。
今年6月末までで山口県内で交通事故で亡くなった高齢者は14人、高齢者が起こした事故は326件。373人が死傷しています。
講習会で運転技能を確認

6月。岩国市の自動車学校に高齢のドライバーが集まりました。高齢者を対象にした運転講習会です。69歳から90歳の35人が参加し、模擬検査に臨みました。65歳以上の高齢ドライバーに、安全運転の意識を持ってもらうことがねらいです。
岩国自動車学校では定期的にこうした講習会を開いています。判断力などを測る検査では認知症のおそれがあるかどうかを判断します。実際に運転技能を確かめる検査もありました。コースを運転し、交差点の曲がり方や、急ブレーキになっていないかなどを確認しました。
岩国自動車学校指導員
「黄色じゃったけえね」
指導員が、技能検査で気付いた点を受講者に伝えます。
岩国自動車学校指導員
「まず、右左折するときに、左折、右に大きく膨れよる、で中央線ちょっとね、踏んでる状態ですね」
危険を知り年齢に合った運転に
高齢者にとっては、自分では気付きにくい運転の危険を知る機会になっているようです。

参加者最年長・助田耕作さん(90歳)
「疲れが出だしたら車に乗らん方がいい、とにかく子どもさんをけがさせたらいけない、人を殺したらいけませんからね。免許証を持っておきたい、というのはこれがあると落ち着くから」
参加者・中原信幸さん(73歳)
「早めのスピードダウン、早めの危険予知、これを今後に生かしたいと思います。高齢者自身が、事故を起こしやすいんだという認識をまず自分に持つことが大事だと思いますね」