天然素材が日本画の独特の世界観を演出する…
西洋画に使われる絵具と違って日本画は天然の素材を画材に、接着剤として特殊な素材が使われるといいます。

日本画家 谷保玲奈さん:「ほかの絵具と違って、私がなんでこんなに魅了されるかというと、ほかの顔料は、例えば油絵だと、油と顔料混ぜた状態。水彩も樹脂と混ぜてあったりするのですが、岩絵の具の場合は膠を混ぜると、接着するんですけれど、生の顔料の色が直接見えるんです。遠くからでも色がすごく分かるのが日本画の特徴だと思っていて」

画材に使われる「岩絵具」や接着剤の「膠(にかわ)」。

いったいどんなものなのでしょうか?
日本画家(富山市在住) 網谷真佐美さん(52):「これは天然の群青という岩絵具です」
富山市岩瀬の日本画家、網谷真佐美さん。
日本画に最もよく使われるのが鉱石が原料の「岩絵具」です。群青のは、藍銅鉱(らんどうこう)と呼ばれる深い青色の鉱物を砕いたもの。
緑青という緑色は鉱物のマラカイトが素材です。

日本画家 網谷真佐美さん:「日本画の絵の具というのは約15段階に分かれているので、同じ岩から作られた絵具でも粒度の番数によって明度を変えて使います」

なかには、サンゴを砕いた岩絵具も。

天然物は高価で貴重なものだそうです。
日本画家 網谷真佐美さん:「粒子ですので、荒い細かいはあっても、下の絵具を覆い隠さないので、重ねれば重ねるほど深みのある色になる」

