東京商工リサーチ富山支店がまとめた2025年10月の富山県内の企業倒産状況によると、負債総額1000万円以上の倒産は7件発生し、負債総額は11億9800万円となりました。倒産は前年同月と同じ7件でしたが、前月の14件から7件減少しました。一方、負債総額は前年同月に比べ145.49%増となり、前月比でも16.54%増加しています。
地域別では高岡市と魚津市で各2件、富山市、南砺市、下新川郡で各1件の倒産が発生しました。
産業別では製造業が3件と最多で、サービス業他が2件、卸売業と小売業が各1件となっています。負債総額では卸売業が5億6900万円で全体の47.50%を占め、製造業が4億6400万円で38.73%を占めました。
倒産原因はすべて「販売不振」で、倒産形態はすべて「破産」でした。従業員別では5人未満の企業が4件と最も多く、零細・小規模企業の倒産傾向が続いています。
注目される倒産として、鉄スクラップ販売の松定商事(富山市、負債5億6900万円)、水産物加工販売の山本水産(魚津市、負債4億1000万円)などがあります。
今後の見通しとして東京商工リサーチは、コロナ借換保証の受付終了から1年が経過し、返済が本格化する中、物価高や人手不足、金利上昇に加え、過剰債務を抱える企業の資金調達が課題となっていて、倒産は緩やかな増加傾向で、廃業を決断する企業も増える可能性が高まっていると分析しています。











