気温は急上昇、そして20メートルの風が…
神通川左岸にあった富山測候所、現在の富山地方気象台です。ここに8月1日から2日にかけての気象記録が残されていました。

その夜のデータです。空襲の時間帯いずれのデータも異常な数値を示していました。


空襲前に20℃あまりだった気温が、焼夷弾による火災で急上昇。本来なら気温が下がる時間帯、午前2時25分に、その日の最高気温33.8℃を記録しました。逆に火災で空気は乾燥し、湿度は30%台に急降下しています。さらに空襲前までほとんどなかった風が、空襲終了間際に最大瞬間風速20.5メートルを観測していました。



富山地方気象台気象情報官 大江幸治さん:「参考資料がありましてですね。それによりますと、当時の気圧配置から見ると、ここまで強く風が吹く可能性の気圧配置ではないです。そのような気圧配置ではなかった。空襲があって、火災があったと聞いているので、どの程度であったかはわかりませんけども、その影響でここまで風が強まったと考えられます」

当時の富山測候所、田口龍雄所長は、この日の気象データは自然現象とは解しがたいとし「空襲による火災が、かなりの影響を与えたであろう」と記していました。



空襲の夜、富山市街地で「火事場風」が起き、大機な火災になったといわれています。