「ニワトリの数を自由に減らせない」
しかし、こうした対策を取ることができない養鶏業者もあるといいます。
富山県養鶏協会 島哲哉会長:「鶏舎を国の事業を使って拡大した場合、やはりそのどうしても計画通りにニワトリを飼わないといけないとか、そういうこともあって、減らそうにも減らせないということがあるというのは聞いたりはしています。まあ、直接的、間接的な原因になっていることは否めないかなと」


国が2015年度から本格的に始めた「畜産クラスター事業」。収益の向上を図るため、施設の整備などに補助金を出すもので、倒産した床鍋養鶏も新しい鶏舎を建てる際に4600万円を超える補助金をもらっていました。一方、補助金をもらうと鶏舎の増設の際に示したニワトリの数を自由に減らすことができなくなるといいます。
農水省の担当者は…。
農水省畜産局:「目標数を5年以内に達成しなかった場合、ペナルティはないが補助金の申請は今後できない。また、会計検査院が過剰投資と判断した場合は処分を下すケースがある」

富山県で相次ぐ養鶏業者の物価高倒産。今後も飼料の価格が下がる見通しがないことや、鳥インフルエンザで激減した卵の供給が戻るには2年もかかるといわれていることから、苦しい状況は続きます。
富山県養鶏協会 島哲哉会長:「やっぱりお客様に求めていただいていますので、手頃の価格で必要とされている食を支えるものとして頑張ってはいるんですけど、やはり急激な状況の変化っていうことに対しての支援、いただけたらなと思います」