キャンプなどのアウトドアレジャーで料理や、暖をとるのに欠かせない薪。今、その薪に代わり環境に優しくランニングコストも安い「木質ペレット」の活用がSDGsへ繋がる取り組みとして注目を集めています。
記者:「化石燃料に替わるクリーンなエネルギーとして今注目を集めているのがこちらのストーブです」
スタイリッシュなデザインでインテリアとしても美しく映えるこちらのストーブ。ガラス扉の内側で燃える炎の燃料は…「木質ペレット」です。

「木質ペレット」とは「おがくず」などを再利用して作られたいわゆるバイオマス燃料でヨーロッパでは石油の代替燃料として広く普及しています。


20年前からペレットストーブの製造販売を手がける富山県の「シモタニ」では地域の木工所と共同で間伐材や端材を再利用してストーブに活用しています。

シモタニ 竹平政男代表:「木を燃料にするので、燃やすと一旦CO2が出るんですけども、それをまた森林が吸収していきますので。プラスマイナスゼロで、いわゆるカーボンニュートラルな燃料といえます」
環境に優しいだけでなくランニングコストは灯油ストーブとほぼ同水準。いま話題の木質ペレットがアウトドアブームを追い風に市場を拡大しています。


木質ペレットを燃料にした本格ピザ窯「ペレ炉」。兵庫県の建築会社と共同で開発しました。値段は15万円からです。


シモタニ 竹平政男:「火力の大きさは圧倒的だと思います。ペレット燃料の場合は、ぎゅーっと木を圧縮して作っていますので、その分エネルギー密度が高くて高火力が出せる。ランニングコストも非常に安くてですね。薪を買ったときに比べても安くすることができます」

窯の中は400℃。木質ペレットの火力の強さを生かしてピザはおよそ1分でこんがりと焼きあがりました。
同じ熱量を出すために必要なコストは薪の二分の一から三分の一。電気を使わないので災害時にも役立ちます。
さらに…、昨今のサウナブームにあやかりペレットサウナストーブも開発。薪式サウナストーブに比べ温度管理も簡単で灰や煙も抑えられます。
環境にやさしい木質ペレットですがストーブ以外の用途が少なくオールシーズン手軽に手に入らないのが現状です。
シモタニ 竹平政男代表:「ペレット燃料については環境保全にも非常につながりまして。森林の整備にもつながる。CO2の増加を抑制することができたり、今まで捨てていた廃棄物を有効活用できる」「何よりも地元で燃料エネルギーが需給できて、いろんな世界情勢に振り回されないということが持続可能性という意味では重要だと思います」


エネルギーの安定的な供給が求められる今趣味やレジャーにも地球に優しい選択肢が広がっています。
日本でもペレット燃料の普及が進んでいます。ペレットストーブ導入の補助金制度もあり県内では富山市や南砺市など6つの市と町で設置費用の補助を受けることができます。
