住み慣れた地域で最期まで暮らせる街をモデルに、学生たちが制作したアニメーションが、ウェブサイトで公開されています。優しい色彩とゆったりとした音楽が印象的な癒やしの21分間。メッセージは、人生を “ものがたり” として理解することです。
アニメーションの制作は、高齢化をめぐる社会問題に “芸術が果たす役割は何か…” “若い世代がどう関わってゆけるか…” を探ろうと、東京藝術大学の大学院生が取り組んだものです。

学生たちは去年5月、アニメのモデルとなる富山県砺波市の医療と介護の拠点「ものがたりの街」を訪れ、4日間滞在しました。

ここでは、終末期医療やケアの仕組みを視察。さらに、ワークショップを開いて、地域で暮らす人たちを取材しながら、それぞれの人生を「ものがたり」として理解し、似顔絵や詩で表現する取り組みを行いました。







その後、取材で得たエピソードを整理し、「終末期」や「死」について考えをまとめ、アニメの構想を立てました。そして10か月間をかけ、21分間のアニメーションを完成させました。
タイトルは「サギのおくりもの」。

病気を患った高齢の画家が主人公で「ものがたりの街」で出会った人たちとの交流や体験を通じ、画家として自分らしく人生を閉じていくストーリーです。






完成後の3月には再び「ものがたりの街」を訪れ、地域の人々を招いて上映会を開きました。








アニメーションは「ものがたりの街」のウェブサイトで公開されています。
