富山市にある元薬種商の館「金岡邸」で生活用具などを収納していた「道具蔵」が、国の有形文化財に登録されることが決まりました。また、射水市と南砺市の旧家なども加えると、今回あわせて9件が登録されることになりました。

このうち富山市にある「金岡邸」は、富山売薬に関する資料を展示している元薬種商の館で、1998年に国の有形文化財に登録されています。

今回は邸内にある道具蔵も新たに登録されることが決まりました。

道具蔵は明治時代、1880年ごろに建てられた大規模な土蔵で、太い地棟2本で支える重厚な造りが特徴です。

元は大人数の食事会で使う大量の食器や、季節ごとの屏風など生活用品の収納に使われていたものです。

外観は、ひさしのついた窓とモルタルを加工して石貼り風にみせたデザインで中庭からの眺めにも配慮されています。

蔵の元所有者 金岡宏美さん:
「祖父も祖母も大変思い入れのあったこの建物が今回評価いただきまして、また保存につながるということでとても喜んでいます。お薬の業界はこういうふうにはぐくまれたんだなということを感じていただけたらうれしいです」

このほか明治5年に富山県特有の建築様式で建てられた射水市の地主、吉田家の家屋や蔵など4件、また南砺市福野の建築家、吉田鉄郎が設計し、衆議院議員や旧福野町長を輩出した山田家が暮らした洋館など4件の登録が決まりました。