富山県内で去年、家庭内や親族による虐待の疑いがあるとして児童相談所に通告があった児童の数が444人で、統計開始以来、過去最多となったことが分かりました。その中でも子どもへの“心理的虐待”が7割を占めました。

虐待といえば記憶に新しいのが…。
去年12月、富山市の認定こども園で、20代の女性保育教諭2人が1歳から2歳の園児4人に対し、暴行を加えたとされる事件。

保護者:
「頭を押さえつけてコップを無理やり口に押し付ける。嫌がって子どもが仰向けに倒れる。これは虐待だと私は考えています」

園児3人に対し逆さづりにして体を引きずる、真夏に園内の倉庫に押し込むなどの虐待行為が疑われています。富山県で“虐待”があったのは保育施設だけではありません。

「家庭内」で虐待の疑いがあるとして去年、警察が児童相談所に通告した児童(18歳未満)の数が444人となり、最も通告が多かったおととし440人を超え、統計開始以来、過去最多となったのです。

児童の心を傷つける言動は「心理的虐待」とされ301人と7割近くを占めました。子どもの前で夫婦がDV行為をしているのも、この心理的虐待にあたるといいます。

次いで、暴力を振るうなどの「身体的虐待」が90人、育児放棄「ネグレクト」が53人となっています。このうち検挙されたのは12件で、罪種別では暴行が17件、傷害が1件、暴力行為に関する違反が1件となっています。

富山県警は、虐待が潜在化しやすい傾向にあることから、児童相談所や自治体と緊密に情報共有し積極的に保護したいとしています。