「白身のトロ」とも呼ばれる高級魚、ノドグロ。富山をその一大産地にしようと研究を進める富山県水産研究所が大豆イソフラボンを使ってメスを増やす技術の開発に成功しました。

香ばしく焼き上げられた塩焼きに、透き通るような白身のお刺身。「ノドグロ」の呼び名で親しまれる「アカムツ」です。

脂の乗りと強い旨味が特徴で浜値で1キロ1万4000円の値が付くこともある高級魚です。

県内での漁獲量は年間10~25トンほどと決して多くはありません。アカムツは需要が高く地元の漁業関係者からは、資源の維持や漁獲量の増加を願う期待の声が上がっていました。

そうした期待を背負い、県水産研究所は2011年から水槽での産卵や育成の研究に着手しました。

試行錯誤を繰り返し、おととしまでにおよそ22万匹もの稚魚を富山湾へと放流してきました。しかし、人工的にアカムツを育てると98%以上がオスになってしまうため、メスを増やし性別の偏りを無くすことが大きな課題でした。

富山県水産研究所 アカムツ担当
福西悠一研究員
「メスはオスよりも大きく成長するので、漁業者さんの収入アップにつながると考えられます。また、メスは海の中で育って卵を産みますので、資源量自体を底上げする効果があると考えています」

そこで研究所が注目したのが私たちの食生活にも馴染み深い大豆に含まれる「大豆イソフラボン」。

女性ホルモンに似た働きを持つこの成分を稚魚のエサに混ぜて与えたところわずか2%ほどだったメスの割合が16%にまで向上。放流魚を捕獲する漁業者の収入増にもつながる画期的な技術が誕生しました。

ただ、大豆イソフラボンは稚魚の生産コストが増すことから今後は成分の濃度やエサを与える期間を細かく調整し、より「低コスト」で「効率よく」メスを増やす研究を進めていくということです。

富山県水産研究所 アカムツ担当
福西悠一研究員
「栽培漁業をやる目的が資源を増やすことですから、放流効果が上がるように、例えばどういうサイズで、どういう場所に、いつ放流したらいいのか、そういった放流効果についての研究も今後進めていきたいと考えています」

富山をノドグロの産地へ。技術が確立されれば、もっと身近にノドグロを味わえる日が来るかもしれません。