“前例ない”マニュアルづくり

一方、上田さんが遺族としてカナデビアに求めているのが海外派遣マニュアルの作成です。

上田さんと弁護団は1年半以上にわたり、企業側と話し合いを続け、実効性のあるマニュアルづくりをともに行ってきました。

上田さん
「最初はすごくピリピリしたムードで向こうも警戒心を持っておられたんですけど、実効性のあるものを一緒に作りたいんだという気持ちをご理解いただけてから、けっこう建設的な意見交換とかもさせていただいて。今はわりと和やかな感じで雑談をしたりとか」

弁護団によりますと、マニュアルは「出国前」「現地着任後」「帰国後」の3段階に分けて留意事項を設ける形で、作業は大詰めを迎えているということです。

弁護団を仕切る岩城穣弁護士は――

遺族側弁護団 岩城穣弁護士
「過去に前例がないと思いますよ。やっぱりマニュアル作るっていうのは、要は会社の内規を作るわけですからね。いくら労災認定されたとはいえ、遺族の人と一緒に作るということについては、普通抵抗があると思うんですよ。今回のように要望を出し、回答もらうね。すり合わせを行いっていうのはすごく誠実な態度だと私は思ってまして」

そのうえで、マニュアル策定の懸案事項は「どこまでを労働時間とみるか」だと話します。

遺族側弁護団 岩城穣弁護士
「宿泊先のホテルって決まってるわけですよね。そこから出勤するわけですよ。途上国であればあるほど、バスとかに分乗して。場合によってはでこぼこの山道の中とか長時間かけて、進むということになるので。バスとかの中で打ち合わせするとか。メールの送受信をするとか。そういったことは頻繁に行われると思うんですけども。そういった時間を業務と見てもらいたいというのがわれわれの希望」