富山県氷見市で被災した建物の公費解体が進むなか被災した建物の古材を救出する取り組みです。

氷見市阿尾で築50年以上の浜本表具店は去年1月の能登半島地震で被災。
地震で壁や天井が崩壊し、10月には公費解体されることが決まっています。
氷見市中央町に住む竹添英文さんらが立ち上げたプロジェクト「古材レスキュー」。

公費解体が予定されている建物に残された障子や欄間などの古材を次の使い手につなごうと買い取り、販売。
古民家の再生や建物の改修工事などでの利活用を促しています。
23日はプロジェクトメンバーの富山大学や東京都立大学で建築を学ぶ大学生や地元の建設会社が参加。
資材としてまだ価値が残る古材を救出させる彼らの姿は、まさに”救助隊(レスキュー)”です。

竹添英文さん「けやきという木は珍しいので、取れたらと思うが、なかなか周りの木材が接触があったりするので、周りから剥いで取ろうとしている状況」
氷見市久目の木工所で働く家具職人中井美和さんはこれまで公費解体された蔵の床材から額縁を作るなど古材から新しい作品を生み出してきました。

佳雨つくる人 中井美和さん
「表具屋さんなので、建具とか良い材料が使われている。見せる空間だったんだなと思うし、多くの人の目に触れるようなものになったら楽しいかな」
プロジェクトメンバーはこれまで市内約25棟の被災家屋で古材のみならず、その下で暮らしていた人々の思いも救出してきました。

竹添英文さん
「氷見の被災状況というのは時間が経過すると記憶も薄らいできて関心を持つ人が減ってきているので、古材を通して氷見の震災被害だったり復興の関心が持ち続けてもらえるようになれば嬉しい」
「古材レスキュー」が開催する古材販売会は26日に旧松屋会館で行われます。