土砂がむき出しとなり足場が組まれた立山町小又の林道…。この区間は2023年6月の記録的豪雨による土砂崩れの復旧工事がいまだに続いています。当時の教訓から地元の建設会社では、衛星画像を使って被災した箇所の早期に発見する取り組みが進んでいます。

5日、現地を訪れたのは、宇宙航空研究開発機構・JAXAの職員や、衛星データを農業やインフラの維持管理などに活用している企業の関係者ら50人。

手に取って眺めているのは、この地域を写した衛星写真です。これは実際の災害現場での衛星写真の活用方法を探るために開かれたもので、地元の建設会社「松嶋建設」の松嶋幸治さんが開催を呼びかけました。

松嶋建設・松嶋幸治さん
「ここに来るまでの道自体が今は通れますけど、当時は全然通れない。怖くて行けない」

2023年6月の記録的豪雨の際に復旧工事にあたった松嶋さん。当時、山間部は土砂崩れで道が塞がれ、被災した地点の把握におよそ2か月を要し、復旧も大幅に遅れました。

今後の災害で被災した箇所をより早く安全に把握できるように目を付けたのが衛星画像です。

松嶋建設・松嶋幸治さん
「現場がどうなっているか分からないという安全面での怖さというのが我々の中でもあるので、それが少しでも解決できる道具になれば」「地方でも衛星画像を使える可能性があるというのを現場で知ってもらえたっていうのは、うれしく思っている」

5日は衛星画像をもとに実際の現場を確認。おおまかな被害状況は衛星画像からも読みとれた一方で課題も見えてきました。

参加者「奥行きとか深さとか角度がすごく実感できるので、いかに現場の情報と画像がどれだけ正しく物が見えているかってのをちゃんと現地に来て見ないと絶対だめだなと」

松嶋さんは、今後衛星画像について、堤防の劣化部分や河川の越水の把握にも役立てたいとしています。

松嶋建設・松嶋幸治さん「簡単にスマホで全部衛星画像で見えるとか、そういう効率的な楽な道具になれば、いちばん現場が効率的にそして安全に作業できるんじゃないかなと思います」