事業は新会社2社に移管

こうして収益の改善を図ったものの、人口減少や高齢化により青果の取扱高は減少、2011年に運営市場が富山市公設地方卸売市場に変更されたなか、ゴルフ場や青果取扱業者の経営破綻により小口の不良債権が発生、2014年には子会社の破綻で約1億8800万円が回収不能となり、財務状況は再び悪化しました。

一方のTRS(旧・富山流通サービス)は1976年(昭和51年)設立、富山中央青果向けに加工食品などを販売し2005年3月期は約3億9900万円を計上していました。

こうした中で新型コロナ感染拡大により、富山中央青果の2020年3月期の手数料収入高は49億6900万円(上述の取扱高ベースとは異なる)にとどまるなど、グループでの業容は縮小していました

このため両社とも2023年11月に会社分割を行い、新会社の「富山中央青果」および「富山流通サービス」を設立、旧2社は現社名に商号変更し、事業を新会社に移管しました。

新会社の2社は、金沢市中央卸売市場を運営する「丸果石川中央青果」の出資を受け、金沢市と富山市の両市場間の青果流通の共通化を行い、営業を継続しています。

負債はTCSが約4億8000万円、TRSが約2100万円の合計約5億100万円で、大半を占めるのが金融債務のもようです。