教育のグランドデザインが置き去りに

懸念されているのが、財源や設備の面で劣るとされている公立への影響です。

今年度から私立高校の授業料を無償化した大阪府では私立を希望する生徒が増加しました。高校入試の進路希望調査で、私学の専願率は29・3%と去年より3ポイント上昇。一般選抜を行う全日制高校128校のうち72校で定員割れの可能性が出ています。

定員割れは学校の統廃合の議論につながりかねず、教育行財政の専門家は学校の配置計画が重要になると話します。

日本大学 末冨芳教授
「人口減少の厳しい状況を考えれば私自身はやはりあの配置計画作った上で、公立と私立がそれぞれどの地域でどういうふうに生徒を育てていくのかっていう、やっぱりグランドデザインが必要だと思ってます」

また、教育の質を確保するため、いじめや性暴力などを隠ぺいした学校については無償化の対象から外す仕組みも不可欠だと指摘しました。

日本大学末冨芳教授
「高校までの無償化がされているイギリスや韓国でも高校生、若者たちの生命、安全、尊厳そして権利が守られないような高校というのは、無償化の対象から外しますっていう大変厳格なルールになってるんですよね。子供の生命安全だったりそれから権利を守るという最低ラインのルールは作っていただきたいなと思ってます」