”隠れた名作”を掘り起こし、北陸の書店を盛り上げようと「北陸文庫大賞」が創設されました。書籍離れが進む中、「北陸文庫大賞」には書店員たちの本への思いが込められています。

富山市の文苑堂書店では朝から特設コーナーの準備に追われていました。
特別な思い入れをもって作っていたのは「北陸文庫大賞」のコーナーです。
文苑堂書店富山豊田店 奥井将 店長
「実は本当にいい本なんだよって書店員が思っている本って結構ある。各書店の文庫担当者などが読んでみてさらに選んでいって、選ばれたのが大賞と他の2点になる」
「北陸文庫大賞」は北陸3県6書店の店員が絶版になるには惜しいもっと人気が出そうな本を選んだものです。
記念すべき第1回のグランプリに決定したのは八重野統摩(36)さん「ペンギンは空を見上げる」。
出版社から推薦された86作品からこの本に最初に目をつけたのが文庫担当の田保千明さんです。

文苑堂書店富山豊田店 田保千明さん
「一番最初に選んだ本がこれだったので、これがどんどん選ばれて大賞になって嬉しかった」
「ペンギンは空を見上げる」はNASAのエンジニアになりたい小学6年生の主人公が転校してきた外国人の女の子と出会い、繰り広げられる青春ドラマです。
文苑堂書店富山豊田店 田保千明さん
「青春小説みたいなものでもあるが、最後の方に意外性もあって読み進めていったらこういうことだったのかと、そこからどんどんどんどんページをめくるのが止まらなくなってくような作品」
書籍離れが進み、書店の閉店が増加するなど、本を取り巻く環境は厳しくなっていますが、田保さんたちは「北陸文庫大賞」をきっかけに本を手に取ってもらえればと話しています。
文苑堂書店富山豊田店 田保千明さん
「本で読むというのはやっぱり電子書籍よりは、心になぜか残ると自分は思っている。本が年々売れなくなってきているので、もう一度こういう賞とかで注目してもらえれば、本を読むきっかけになってくれれば」
店長の奥井さんは自分がおすすめした本が多くの人に手に届くことが書店員のやりがいだといいます。
文苑堂書店富山豊田店 奥井将 店長
「今一番売れる賞って本屋大賞。お客さんに近い立場の書店員が選んだというのがお客さんにとって手に取りやすいんだと思うので、この北陸の文庫大賞もそういうふうにお客さんがまた発表になったんだねと。なにかこれがひとつ話題になって書店に足を運ぶきっかけのひとつになっていただければありがたい」










