■実態のない団体を信じていたのか…
これは2019年に自民党が青津氏を講師に招いて「児童虐待」をテーマに開いた勉強会のチラシです。青津氏の肩書きは、「国際青少年問題研究所」の所長となっていて、国際勝共連合の名称はどこにも記されていません。

霊感商法問題に取り組む紀藤弁護士は、こう指摘します。
紀藤正樹 弁護士:
「一応、国際青少年問題研究所の所長を名乗っていますが、これはおそらく1人研究所のようなもので、実態がないと思われます。ホームページもないような実態のない団体の所長という肩書きを名乗っていろんなところに出没してるわけですけども、そういうこと自体もかなり大きな問題がある」

その一方で、よく調べなかった市議会側にも問題があるのではといいます。
紀藤正樹 弁護士:
「青津和代さんという人は、著名な議員と一緒に、いろんな活動をやっていますので、自分の名前を出さないでやるという人物ですので、インターネットで検索すれば、すぐその程度のことはわかることです」

この勉強会で青津氏を講師に招いたのは高田市議でした。高田市議は取材に対し、「全国でも条例が作られている『家庭教育支援条例』について学ぶため」だったと回答。
ただ、高田市議は10年以上前から旧統一教会の関連団体から選挙応援を受けていました。それでも関連団体の幹部だったとは知らなかったと言います。

ジェンダーの問題と旧統一教会の関係に詳しい富山大学非常勤講師の斉藤正美さんは、富山県内の政界と旧統一教会の関係が深い要因の一つをこう指摘します。
富山大学非常勤講師 斉藤正美さん:
「(旧統一教会の)前会長の徳野英治さんは富山大学のOBなんです。このあたりがいろいろズブズブなのは、要職についた統一教会の幹部の人が何人もいる、出身者もいるということ」

なぜ旧統一教会は、政治家に接近していくのか、そのメリットについて、斉藤さんは。
富山大学非常勤講師 斉藤正美さん:
「自分たちがいいと思った政策を実現してもらうのに、議員は力がとてもあるので、そのために議員にコネクションを作っておくことはとても大事だって考えている。だから選挙でこの人応援していこうと思った人の事務所に行って、『私は統一教会の人間です』って言うわけないから、一人の人として信頼関係を得るっていうのはとても得意なんです」
国会議員から県議、市議までも。政治と宗教の近すぎる関係が問われています。










