“一生隠さなくていいんだ”という安ど感…
記者:「一時保護された後の心境は?」
里帆さん:「まずは、一時保護された後はこれからどうなるんだろうという不安がありました。というのも、母が知ってしまったら私に対して怒るだろうかとか、悲しむだろうかとか、ほかの親族はどう思うだろうか、そういった不安もありましたし。自分が高校生だったのもあって、進路やこれからの未来はどうなるのか不安もある中で、一時保護の間は過ごしていたと思います。家に帰ってからは、もう家には来ないということで聞いていたので、終わったのかなという少しの安ど感。あとは周りの方に知ってもらって、もう無理に父と話したり、演技というか、一生懸命隠さなくていいんだという安ど感もありました。ただ、住んでいたのが家の真裏のアパートで、たとえば会社から帰ってくる車の音が分かったりですとか、用事があると家に来れる環境だったので、いつまたもしかしたら被害に遭うのかなと。でもそうではないだろうと。保護される前よりは恐怖はなくなったんですけど、家の近くに住んでいる、見える状態だったので、東京に行くまでの期間、特に不安だったなと感じます。
記者:「東京に行くまでばったり会ったりとかしたのか?」
里帆さん:「そうですね。ありました」
記者:「そのときは普通に話したのか?」
里帆さん:「家の裏なので、休みの日とか、自分とちょうど父が家をばったり出るタイミングで顔を合わせてしまった時は話さないですけど。ほかの親族がいるときに何度か、2こと、3こと交わしたこともあります」
記者:「父親の直筆の反省文や音声データは捜査機関に提出しているか?」
弁護士:「しています」

記者:「中学校2年から高校生まで8回、当時、メモとして残されたりしていますか?」
弁護士:「そのあたりも捜査に支障がありますので」
記者:「近年、性加害の告発がありますが、どのように見ているか?」
里帆さん:「私は家庭内の性暴力ですけど、大きなくくりで見ると、性暴力に過去遭った方というのが言いやすくなってきたのかなというのが特に注目して、大学生の間とか、高校生の間とか、少しずつニュースで確認していました。そういった前例があると、私も社会的に自分がもしかしたら悪かったのかなという思いもあったんですが、社会の方が、皆さんが悪くないと。加害者が悪いという意見も目に見えて、私としてはそういった前例の方が、私がここにいるのも後押ししてくれたというか。今後どうなっていくんだろう、もしかしたら自分は批判的なことを言われるんだろうといった不安も、ほかの方たちを見て、批判的なことはないなと、自分が悪いわけではないと、後押しをしていただいたなと個人的には思っています。特に私は、ただ見ていて、家庭内の性暴力というのは裁判とかは見ていましたが、実名顔出しでやっている方は私の見ていた中では少なくて、どうしても自分の大事にしたい親族にも影響が行きやすかったりとかもあるのかなと思っていた。ただ表に出てこないだけで、家庭内の性暴力は確実にあると思うので、特に私は家庭内の性被害に対して、どうして家庭内ので起きるのか、みなさん疑問に思っていると思うので、なんで起きたんだろうということを皆さんにお伝えできればいいなと思いました」
夫の福山佳樹さんに里帆さんへのサポートについて質問がありました。
佳樹さんは43歳、会計事務所を営んでいるといいます。
記者:「夫としてサポートすることについて」
夫・福山佳樹さん(43):「彼女が私に対して、死ぬ日を1日1日伸ばしてきたと出会った日に言っていました。それを聞いてよく私と出会うまで生きていてくれたなと、そんな思いでいっぱいです。あとはよくここまできょうまで頑張ってくれたなと思っています」


午前11時に始まった記者会見で、里帆さんは約1時間半後にわたり当時の苦しかった日々と今の心境を語りました。後半に続きます。