地震による液状化現象で多くの住宅が深刻な被害を受けた富山・氷見市の海沿いの地域では、15日に地盤工学の専門家が現地を視察し具体的な復旧方法を林市長にアドバイスしました。

液状化現象で甚大な被害を受けた氷見市の北大町と栄町を視察したのは地盤工学に詳しい京都大学の三村衛(みむらまもる)名誉教授です。三村教授は氷見市の林市長から被害状況について説明を受けながら隆起した道路や傾いた住宅を確認しました。

林市長:「こういった地割れが家の中まで…」

京都大学・三村衛名誉教授:「確かにね。揺れでどうしても引っ張られて悪化してる感じはありますね」
氷見市の液状化対策をめぐっては被害が広範囲にわたるとみられることから地域全体で復旧にあたる方法を模索していてます。

現地視察を終え三村教授は…
京都大学・三村衛名誉教授:「もともと地盤が液状化に弱い細かい砂ですね。これが溜まる環境にこの辺りがあるのがそもそもの弱点、地盤の弱点がある。弱い砂地盤が存在している所に強い地震がきたのでこういうような被害になった」

液状化現象の要因をこう分析したうえで具体的な復旧方法として4つの案を示しました。

京都大学・三村衛名誉教授:「やれることは限られてます」
①地盤を固くする②地下水を下げてしまう③全体をかこってしまうか変形しないようにする④水を逃がすという手がある。
京都大学・三村衛名誉教授:「そのうちで場所的な特徴ですかね。ここで何が出来るのかと。もう少し地盤とか地下水の状況をきちんと調べてそれでとりうる最適な対策方法を考えていく必要がある」
林市長:「三村先生から4つの方法があるとお伺いしました。それをじゃあ具体的にやっていこうとした場合に今後どういう調査が必要か。詳細なボーリング調査とかですね、地下水の高さとか流れとかそんな調査を先生の方からアドバイスをいただきたいと思っていますが、そうした中で行政として個人に負担がかからないような方策をまず考えてみてそれをもとに住民の皆さんと話し合い進めていく」

氷見市は今後、こうしたアドバイスをもとに地質や地下水の状況を調査し、具体的な復旧方法をまとめたうえで住民に説明していくとしています。