なぜできない?国内で「黒鉛」加工
今回輸出規制の対象となった「球状黒鉛」は、EV=電気自動車に搭載するバッテリーとして使われるリチウムイオン電池の材料となるため、EV化が進む自動車業界においても非常に重要なものとなります。
富士黒鉛工業では、現在ほぼ全てを中国からの輸入に頼っていて、今回の規制を機に「中国依存の脱却」を進めたい考えですが、簡単ではないようです。
その大きな理由が、球状黒鉛は他の黒鉛と違い『国内の工場で加工し作り出すことができない』ということです。これは技術的な問題ではなく、コストの問題によるもので、国内に一から工場を整備して球状黒鉛を作り、採算を取ることは非常に難しいということです。
一方で、球状黒鉛の原料は中国だけでなく、アフリカなどでも採掘が行われています。今後は、中国以外で採掘した原料を日本国外で加工できる仕組みを作っていくことが、中国依存からの脱却の大きなカギになりそうです。
