守りたい、稲穂の風景
一方で、坂井さんを取り巻く環境は、年々厳しさを増しています。この地域で専業のコメ農家は、坂井さんただ一人。近年は、担い手の高齢化や後継者不足で、田んぼの土地を譲り受けるなど、負担が増えているといいます。坂井さんを襲ったのは、記録的な大雨となった2022年の「8月豪雨」です。喜多方市にあるJR磐越西線の鉄橋が崩落するなど、会津地方を中心に甚大な被害をもたらしました。坂井さんの田んぼでは一時、水路のほとんどが途絶えました。

坂井さん「護岸も上げなかったから、また同じ雨が降れば同じことになる。農業をやめようと思いましたよ」
担い手が不足する中で増え続ける土地と激甚化する自然災害。それでも守りたいものがあるといいます。
坂井さん「小さい頃はついて行って、そのときの黄金色の稲穂の姿や風景を覚えていたので、その風景って守っていかないといけないと気づいた」
祭りや住民同士で助け合う農作業。町は、稲作を中心に文化や交流が続いてきましたが、近年は人口減少という大きな壁に直面しています。

石高プロジェクト事務局・長橋さん「単純にコメを高く売りたいわけではない。(町では)どこどこの田植えと、みんなで順繰り『結』で助け合って守ってきたし、暮らしてきた。これが人が減ってくるとできなくなってくる。地域の外にいる人たちも『結』の一員になれるように(目指している)」
アプリは生産者に対する経済的な支援だけでなく、これからの地域社会を守ることにも期待がかかります。










