宮城県内の公立中学校でも部活動の地域移行が段階的に進んでいます。仙台市内の建設会社が、スポーツ経験のある社員を採用し学校に派遣する新たな取り組みをスタートさせています。
取り組みを始めたのは、仙台市に本社がある「深松組」で、深松組への就職が決まっている東北学院大学4年生の光井響平さんが仙台市立八軒中学校のバスケットボール部で指導しました。
光井さんは、バスケットボールで全国大会に出場した経験があります。

八軒中学校女子バスケ部 森こころさん
「今までやったことない練習とかもたくさんあって、できないこともありますけど、できたときに光井さんがほめてくれて嬉しいです」

部活動の地域移行に合わせ、仙台経済同友会はスポーツ経験者を採用して学校に派遣するプロジェクトを始めていて深松組もこのプロジェクトの一環で光井さんを採用しました。
東北学院大学4年 光井響平さん
「バスケットボールにずっと携わっていきたいという思いがあって、深松組がサポートしてくださるということで、思い切って自分なりの指導と仕事に集中して、社会人1年目をがんばっていきたい」

八軒中学校男子バスケットボール部 古内裕也顧問
「生徒達の技術的な向上という意識が、光井さんが来てくれてから変わったように感じます」

光井さんは、4月以降社員として業務をしながら部活での指導を続けるということです。
【課題が山積する部活動の地域移行】
対象となるのは全国の公立中学校です。
国は2023年度から3年間を改革推進期間と位置付け、休日の運動部について段階的に地域移行させたい考えです。
狙いは、教職員の働き方改革や負担軽減。条件が合えば実績のある競技経験者から指導を受けられるというメリットもあります。
一方、全ての部活で外部指導者を確保できるのか、民間に委ねた際、子どもの安全の確保や責任の所在はどうなるのか、指導者が見つからない場合に意欲のある生徒が充実した練習ができなくなる可能性もあります。部活動の地域移行は今後さらに進む見込みですが課題は山積しています。