生徒たちが「黒板」をキャンバスにしてアート作品を作ります。宮城県大崎市の古川黎明高校の生徒たちの作品が「黒板アート甲子園」で3年連続で最優秀賞に輝き22日、表彰式が行われました。タイトルは「乳世界(ニューワールド)」。どんな世界観を描いたのでしょうか。

「黒板アート甲子園」動画の部で最優秀賞に選ばれた古川黎明高校の作品「乳世界」です。

スーツを着て膝をつく人。頭にチョークで描かれていくのは牛乳パックです。画面右側には、チーズやアイスクリームが描かれていきます。学校給食で残されることが多い「牛乳」をテーマにしたということです。

古川黎明高校美術陶芸部 前部長 三浦凛さん(3年):
「好き嫌いの問題やごはんに合わないなどの理由で(牛乳が)残されてしまうことが多く、その様子をよく見てきたため、テーマにすることでみんなにこの問題について考え直してもらうきっかけに出来たらいいと思いこのテーマにした」

制作したのは、古川黎明高校美術陶芸部の3年生6人で、22日の表彰式では、コンテンストを主催した黒板、ホワイトボードメーカーの「日学」から部員に賞状が贈られました。

古川黎明高校美術陶芸部 前部長 三浦凛さん(3年):
「みんなで時間をかけて頑張ってきた作品が、このような賞をもらい嬉しい。大きな作品をつくり上げたときの達成感が得られたり感動を与えられたりできることを学んだ」

また、古川黎明高校では、同じく動画の部で秘密基地をテーマにした作品「夢のある人生を」が優秀賞に選ばれました。こちらは1、2年生11人が制作しました。

「黒板アート甲子園」動画の部で古川黎明高校の作品が最優秀賞に選ばれたのは、3年連続で、優秀賞とのダブル受賞は今回が初めてです。

古川黎明高校美術陶芸部部長 松本明莉さん(2年):
「3日間での制作だったが、短い期間のなかでいい作品ができるように全員で協力して描いたものなので、本当に賞をもらえて嬉しい。来年もまた、部員全員で取り組めていけたらいい」

今年で9回目となる黒板アート甲子園には、動画の部を含む4つの部門に全国の中学校、高校153校から合わせて241点の作品が寄せられ審査されました。

最優秀賞に選ばれた3年生の作品は、2日間かけて制作されました。審査では「社会問題から発想し刺激的な映像に仕立てられ、計算し尽くされた構成がすばらしい」と評価を受け、今回の受賞となりました。古川黎明高校は来年も黒板アート甲子園に出場するということです。