「予報円」正しく理解を
“変則台風”が増える可能性がある中、より重要となるのが台風情報です。続いてお伝えするのは、進路図に出てくる「予報円」の意味です。ニュースなどで見ると予報円は、最初は小さい丸なのに、日本列島に近づくにつれてどんどん大きくなる、巨大化していくのが特徴です。これはどういうことなのでしょうか?

「予報円」がどんどん大きくなっていくのは、進路予想の「難しさ」が理由となっています。予報円の定義は「台風の中心が70パーセントの確率でその時刻にやってくると推定される範囲」となっています。

台風の進路は、100%の確率で予想できるわけではありません。翌日、翌々日、3日後、4日後…、先になればなるほど、進路を予想することは難しくなっていきます。このため、気象庁はある程度、幅を持って進路予想を発表しています。予報円がどんどん大きくなっていくのは、このためです。
気象庁がHPで例示している2022年9月16日台風14号の進路図で見てみます。3日後の19日の予報円は、佐賀県から広島県の辺りまで範囲に含まれています。台風の中心は、佐賀県を通るかもしれないし広島県を通るかもしれません。

更に4日後20日の予想では、予報円が日本海の海上から東京までかなり広範囲に渡っています。予報円の中であれば70%の確率でどこを通ってもおかしくない状況、逆に言えば、巨大化した予報円では、台風の中心がどこを通るかわからない不確実な状況となります。コントロールの悪いピッチャーの投球ゾーンといったイメージでしょうか。それだけに台風の進路予想は、常に最新のものを確認することが大切となります。