無許可建設の問題が発覚し、9月末での閉園を発表している札幌市の民間動物園「ノースサファリサッポロ」で、依然として300頭以上の動物が飼育されていることが、市の調査でわかりました。
札幌市南区にある民間動物園「ノースサファリサッポロ」では、無許可で施設が建設され、20年近く営業が続けられていたことが問題となっています。

動物園を運営する「サクセス観光」はこの問題を受け、2025年9月末で閉園し、4年後の2029年末までに全ての建物を撤去すると発表していました。
しかし、札幌市保健所動物愛護管理センターは、9月5日に動物の飼育状況を確認するため、園長立ち合いのもとで確認を行った結果、209頭の哺乳類と79頭の鳥類に加え、31頭の爬虫類、計319頭が依然として園内で飼育されていたことが判明しました。

この中には、人に危害を加える恐れのある「特定動物」のトラやライオンなども含まれているということです。
市の担当者によりますと、運営会社側は9月末で動物園を閉園する意向は変わらず、「10月以降も動物の健康や安全に配慮しつつ動物を移動させ、残った動物についても適切に飼育する」と回答がありました。

札幌市は、
▼法令を遵守し、動物を適切に飼育すること
▼動物の移動については、動物の状態などに配慮したうえで、速やかに、かつ安全に実施すること
を口頭で指導したということです。

この一連の問題では、閉園後の動物たちの引き取り先が大きな課題となっています。
【画像】ノースサファリサッポロで飼育されている動物
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