津波工学が専門の東北大学災害科学国際研究所の今村文彦教授は、津波避難タワーは「命を守る」重要な役割を持つと話します。

東北大学災害科学国際研究所・今村文彦 教授
「東日本大震災から14年が経ったがこのエリアでは日本海溝の北側、北海道の千島でまだまだ地震・津波のリスクはある。そのために避難する態勢を充実させないといけない。津波避難タワーは命を守る重要な役割を持っている」

今後も増えることが期待される津波避難タワー、今村教授は、課題もあると指摘します。

まず「財源」です。

東北大学災害科学国際研究所・今村文彦 教授
「津波避難タワーは、津波のようなかなり大きな力が加わっても、頑丈でなければいけない。そのために建物自体が非常に耐震化、耐波性、波に強くなくてはならない。国からの補助金などはあるが、やはり地元での負担はかなり膨大になる」

もうひとつの課題は「認知度」です。

東北大学災害科学国際研究所・今村文彦 津波工学教授
「津波避難タワーがあることは地域住民にはかなり周知されていると思うが、例えば周辺にいた旅行者、また移動中の人もぜひ使っていただきたい。そのためにもタワーへの案内板や、例えばスマホを使った周知などいろんな工夫が必要だと思う」

さらにタワーが完成した後も、実際に地域住民が利用するなど「避難訓練」が重要になってくると今村教授は指摘します。

東北大学災害科学国際研究所・今村文彦 教授
「今回、津波避難タワーという施設としては重要なものができたが、それをしっかり活用していく。そのためにも、避難訓練をして、模擬的にどう逃げられるのか、またどう支援できるのか、そこにどう滞在できるのかを考えていただきたい」

今村教授は「全国的に地震・津波のリスクはまだ高い状況にある。命を守るためのタワーは必要で日本全国、沿岸部で津波が起きた場合、すぐに逃げられる態勢を整えてもらいたい」と話していました。