徳川家の歴代十五代将軍の甲冑など国宝や重要文化財が並ぶ特別展が、12日から仙台市博物館で開催されるのを前に、徳川家康が着用したといわれる金色の甲冑が設置されました。

仙台市博物館に運び込まれたのは、重要文化財の「金陀美具足(きんだみぐそく)」です。

作業員によって慎重に取り出され傷や汚れがついていないか、光を当ててひとつずつ丁寧に確認されました。

「金陀美具足」は、徳川家康が19歳から20歳の若き日に桶狭間の戦いの前哨戦で着用したとされ、戦での功績を知らせるため目立つようにと金色でつくられたとされています。

また、ひと際存在感を放っているのが、徳川歴代15代の将軍の甲冑です。

所蔵する静岡市の久能山東照宮でも1列に並べられることはない、非常に貴重な展示で宮城県内では初めてとなります。

後藤舜アナウンサー:
「江戸時代前期の甲冑は、実戦を見据えたつくりとなっていて、なかでも三代将軍家光の甲冑は、重さが23㎏で兜には試し撃ちの跡が残っています。時代が進むと戦がなくなり、実用性よりも威厳を示すために装飾性の高い甲冑が多くなっていったということです」

仙台市博物館 酒井昌一郎学芸企画室長:
「徳川家康が愛用していた品々を間近で見てもらえることと、それぞれの将軍の具足の細部まで立派なデザインが凝らされているのでそういうところを見てもらえれば」

このほかにも戦場での家康の所在を示す大きさ2mの金色の馬標(うまじるし)など国宝2点、重要文化財31点を含む約100点の収蔵品が展示されます。

「徳川十五代将軍展~国宝・久能山東照宮の名宝~」は、仙台市博物館で12日から11月9日まで開催されます。