伝え続ける理由とは

気仙沼警察署元署長 佐藤宏樹さん:
「当時の気仙沼警察署員から2人の殉職者を出してしまった。指揮官として、この2人に対して償うべき責任があり、体験を後世に語る責任があると感じている」

駐在所に勤務する巡査部長2人が、避難誘導中に津波にのまれて、1人は遺体で発見、もう1人は、今も行方不明になっているからです。

気仙沼署での教訓を語る元署員は佐藤さんだけではありません。

仙台南警察署 菅原仁刑事官:
「若手警察官にはこのように話しています。ひとたび災害が発生すれば、警察官のやるべきことは数多い。警察官が亡くなれば、救える命も救えない」

仙台南警察署 菅原仁刑事官

仙台南警察署の菅原仁刑事官(57)は発災後、気仙沼署の刑事係長として遺体の検視にあたっていました。そのなかには、同僚の一人の警察官もいました。

仙台南警察署 菅原仁刑事官:
「(殉職した)巡査部長のご遺体も私が検視しました。その顔は、さぞかし無念だったという記憶です。こういったことが、2度とあってほしくないですよね。犠牲になった2人も我々に当時のことをきちんと若手の警察官に話して、教訓として伝えろと言っている」