一打サヨナラの場面での代打について

楽天 伊藤裕季也選手:
あの日は打席の前の準備段階での気構えっていうのが、 今までの代打とはちょっと違うのがあった。今までは1打席しかないので、ポジティブな感情では入れてなかったんですけど、あの時は気持ちの整理できていて、ポジティブというか逆に“ここで打てばヒーローだ”という 前向きな気持ちで打席に入りました。

初球を振り抜いた打球はセンター前へ。サヨナラ勝利に球場が歓喜に包まれるなか、ひとり様子が違ったのが渡辺翔太投手。

直前に1点を勝ち越され責任を感じていたゆえの涙でしたが、伊藤選手の一振りが後輩の気持ちをも救いました。

楽天 伊藤裕季也選手:
すごく気持ちがわかるというか。それこそ小郷選手も去年(ミスを救われた)試合後に泣いたっていたが、それだけ真剣に向き合っているからこその姿だと思う。
あのまま“もし負けていたら”と考えると渡辺投手の今後の野球人生にも影響してくるというか…。大袈裟な話ですけど、そういうのも考えると、本当に打ててよかった。僕はいつも ミスして救われる側だったので、誰かを救えてよかったなっていう気持ちもありました。