絵本に描かれた健太さんの物語
絵本の一節「一度始めたことは続ける」。親子で交わした約束通り、健太さんは、小学3年生で始めた野球を大学まで続け、故郷に貢献したいと七十七銀行への入行を決めました。

しかし、2011年3月11日、配属先の女川支店で震災の揺れに襲われます。津波襲来の描写は、何度も描き直したといいます。

田村弘美さん:
「どう表現して描いてもらったらいいか迷いました、あの日の津波の怖さを記憶にとどめてもらいたい」
高さ10メートルの支店屋上に逃げた行員たちは津波に飲み込まれ、4人が死亡、8人が行方不明のままです。

25歳だった健太さんには、結婚を約束した人がいました。

田村弘美さん(2013年取材):
「本当にこれからだった、何もかもこれからだった、私たちも悔しいが、息子は最後どんな気持ちだったか、どんなに悔しかったか」