「なんで値段が上がっているのか背景を知って」

<コンチェ 田中克典さん>
「チョコレートの原料に使っているカカオ豆になります。カカオ豆、全体的に10%~20%、産地によってはそれ以上値段が上がっています」

静岡市葵区のチョコレート専門店「コンチェ」では、8か国のカカオ豆を使い、チョコレート菓子を製造・販売していますが、最も大切なカカオ豆の高騰が悩みの種となっています。カカオ豆の価格の推移をみると、2022年7月には、1キロ2.24ドルだったものが、2024年1月には4.4ドルと倍近く価格がはね上がっています。

円安や物流コストの上昇も追い打ちをかけ、田中さんの店では2024年1月、一部のチョコレートの価格を400円から500円に値上げしました。ただ、カカオ豆の値上がりにはSDGs促進という面があると田中さんは話します。

<コンチェ 田中克典さん>
「生産者の収入の水準が上がるようにそういった取り組みをする中で、反映されて上がっているというのも含まれる」

これまでカカオの生産地では、従業員が安い賃金で働かされるといった状況が続いていました。チョコレートを持続可能な産業にするには、現地の農家の待遇改善が必要として、近年、公正な取引を進める動きが広がっていることもカカオ豆の価格上昇につながっているといいます。

<コンチェ 田中克典さん>
「なんで値段が上がっているのかっていう背景、フェアトレードや児童労働、社会問題も大きく絡んでいる。そういったものを解決していく取り組みの中で、コストが上がっているので、そういったこともお客さまにお伝えしながら、食べていただけたら」

チョコレートの価格上昇は悩ましいことかもしれませんが、今後もおいしいチョコレートを食べるために必要なことは何か、考えていく必要があります。