「知る」だけなく考える力を養う
「1年間通して、最後、自分たちの住んでいる場所に返していくっていうところが、やっぱり大切」
こうして学びを自分が置かれている状況、地域に落とし込んでいくことが1年間続けてきた防災の授業の総仕上げだ。
まとめて終わりでは意味がない。災害について知るだけでなく、主体的に考える力を育むことが、どんな場所でどんな災害が起こっても命をつなぐ力につながっていく。
先生と関わった人たちは、誰も死なないでほしい

「調べたことをこの先の未来にしっかり生かしていってほしいと思います。災害が起きた時に、先生と関わった人たちは、誰も死なないでほしい」
1年間を通して行われてきた自然災害について学ぶ総合学習も、最後のまとめの段階に入った、この日の授業の最後、中川さんは、こう子どもたちにメッセ―ジを伝えた。【動画を見る】
自然災害について知り、そして自ら考えて行動する力を育んだ子どもたちは、この先も自分の命をしっかりと守るだけでなく、地域の防災のリーダーとして活躍してくれるに違いない。
そんな、教え子たちとの別れを迎えると、中川さんが再び教員となってから丸3年となる。その3年間は、新型コロナウイルスの流行と重なっていて、教育現場は様々な場面で制約を強いられたが、前向きに捉えられる点もあった。