循環器専門医にとっての健康は減塩第一?

野路:循環器内科が専門の小野寺さんからすると、健康とは何ですか?
小野寺:やはりニコニコ笑って生きるということだと思います。辛いといって生きるのではなくて、ニコニコ笑って生きることができたら、それが健康だろうと。それで周りの人はどれだけ迷惑を被るかということはあると思いますが、本人にとってはニコニコして生きられたら、それがいいことですよね。
野路:意外でした。お医者様ですから、健診の項目は全部A評価で、そのために食事も気をつけて筋トレもしてというのが幸せだとおっしゃるかと思いました。
小野寺: できたらその方がいいですよね。最近は、例えば血圧が低ければ楽に長生きできて、脳卒中にもなりにくく、心臓病にもなりにくいことが分かってます。 一番大切なのは減塩。醤油をかけるな、ラーメンを食べるなという話になるのですが、そんな生活はつまらないですよね。
高血圧学会から叱られるでしょうけど、私は割と、多少塩辛いものを食べても、薬をのんで済めばそれでいいじゃないかと言っています。しかし患者さんの側からすると、薬ものみたくないわけで、なるべく、何も(治療を)しないで、普通に楽しく暮らしていたい。患者さんが(高血圧が続くリスクと減塩の必要性を)分かっているならしょうがない。(今の生活を続けることで)命に直結することがあっても、ご本人がこの生活スタイルを続けたいと言うなら、あとは家族が納得していればいいよね、となると思います。