実際、市内の路線バスの利用者は年々、大幅に減り続けています。

コロナ前の2019年度には、およそ760万人が利用しましたが、2022年度は、531万人にまで減りました。
要因の一つが、市民のライフスタイルの変化です。
バスを利用する主な年代は、学生や高齢者ですが、車の保有台数や共働き世帯の増加に伴い、保護者が通勤の際に学生を送迎するなど、「バス離れ」が進んでいます。
この結果、路線バス事業は、赤字の一途をたどっています。
アルピコ交通長野営業所 植松誠(うえまつ・まこと)所長:
「もちろん良い時もあったとは思うが、ここ近年はずっと赤字。(赤字続きだと)新たな投資や工夫がしにくくなって、悪循環」
さらに、近年深刻化しているのが「運転手不足」です。

アルピコ交通長野営業所 植松誠所長:
「必要な人数に対して40人くらい足りない。休日出勤や時間外労働の中で埋め合わせているので、現状、運転手は厳しいところがある」
長野営業所のバスの運転手は路線バスと高速バスを合わせておよそ160人。
この人数で、平日は30路線、片道683便を回しています。
【点呼】
「積雪により道路の幅が狭くなっているので、対向車とのすれ違いなど気を付けて運転してください」
運転手の業務は、出発前の点呼や車両の点検から始まり、5分前には始発のバス停に到着します。
住宅街などは乗り降りが少なく、乗客がいないバス停もしばしば。
それでも、現行のダイヤに沿って一人あたり一日につき片道12便ほどを担当しています。