東京都内で2023年に開かれた犯罪の被害者家族などが集まる全国大会。
長史恵さん:
「私の大切なたった一人の弟が亡くなりました」
「警察に何度も車を見せてほしいと伝えましたが、証拠なので応じてもらえず」
「時速194キロで過失なんて」
「その後つながった人たちの間でまだ間に合う、やれることは何でもやろうと」
突然、家族を失った上、事故の捜査が適正になされなかったと感じ、苦しむ人は多くいます。
警察や検察の捜査に疑問を感じていた和田さんは、同じく中学生の娘を亡くした白倉裕美子(しらくらゆみこ)さんと出会いました。

白倉さん:
「(娘の)美紗の事件からそのときで12年という月日が経っていても、捜査のあり方すべてがまったく変わっていない。まだこうやって苦しんでいる人がいるんだっていうことになんとも情けない気持ちになった」
北海道南幌町(なんぽろちょう)に暮らす白倉さんは、2003年、娘の美紗(みさ)さんを失いました。
美紗さんは、朝、学校に向かう途中でトラックにはねられました。
運転手は当初、自転車に乗っていた美紗さんが飛び出してきたと主張、逮捕はされませんでした。
白倉さんは納得できませんでした。
白倉博幸さん:
「最初は警察が飛び出したみたいな言い方で、ダンプが来てうちの美紗が斜め横断したらしい」
「美紗は絶対悪くない。信じなきゃダメだって」

白倉裕美子さん:
「交通事故だからの一言で、ただ、片付けられているような」
「一切教えてくれない。どういう事故だったとか、概要、スピード、全部が秘密」
白倉さんは自ら事故について調べ始めます。
そして、現場のブレーキ痕やトラックに残された傷などから、実際の衝突の仕方が、運転手の言い分に沿った警察の調べとは違うことなどを突き止めました。
事故の2年後、検察は「業務上過失致死」の罪で運転手を起訴。
しかし、裁判ではトラックの運転が「暴走とまでは言えない」などとされ、判決には執行猶予が付きました。