後押ししたのが、東日本大震災のボランティア活動です。

自分で焼いたケーキを被災地に持っていきました。

母袋風実さん:
「ずっと待ち焦がれていたのか『うわーケーキ来たー』て喜んでくれて、うれしいなって」

京子さん:
「やっぱりケーキは心に届くビタミンだなって思いました」

そして、震災の翌年の2012年、母の京子さんが、自宅を改装して風実さん念願のケーキ店をオープンさせました。

実は、風実さんには、「記憶がしづらい」という軽度の障がいがあります。


京子さん:
「脳に腫瘍があったことで、水も溜まっていたことで、脳が萎縮しちゃったんですね。なので軽度の発達障害があるんです」
「学校に行ってもいじめにあったり、勉強についていけなかったり、かなり心を痛めました」

店を開く前から毎日のようにケーキを作り続け、腕を磨いていった風実さん。


自分と同じような体質の人にもケーキを楽しんでほしいと、砂糖は、比較的アトピーへの影響が少ないと言われる「てんさい糖」を、生地には小麦アレルギーに配慮して米粉を使うなど素材を選んでいます。

母袋風実さん:
「てんさい糖はミネラルが豊富に含まれて、かつ体を温める作用もあってとてもやさしい」