ブラジル生まれの日本人の父親と、ロシアなどにルーツがある母親を持つ林原さん。
ふだん使うのは日本語とポルトガル語で、英語はほぼ独学!
興味を持ったのは、小学校3年生の頃だったそうです。
林原さん:
「趣味として英語でたくさんドラマや映画を見ていたらリスニング力がついて、何を話しているのかがわかるようになって、スピーキング力は授業の中で自分の発音を確認たり、ALTの先生と話しているうちに身についたと思います」
高校1年生のときにコンテスト出場を勧め、指導してきた西牧綾(にしまき・あや)教諭。
2人は放課後などを使ってほぼ毎日、練習を重ねてきました。
西牧綾教諭:
「授業の中で桜さんがとても流ちょうに英語を話す場面に出会いまして、『見つけた!』ということですぐに声を掛けました。聞くと英語はほぼ独学で身につけたというので、さらに驚きました」
林原さんが今回、スピーチのテーマに据えた「多様性」は、「家族の多様性」です。
日本で生まれ育ち、周りの子どもたちと同じように暮らしてきたのに、「普通ではない」と見られた自らの経験からの思いが込められています。
林原さん:
「私は日本で生まれ育ってきたんですけど、この見た目からすごく生きづらさを感じていて、今回スピーチする機会をもらった時に、日本でもっと多様性を認め合える考えが広がってほしいと思って、このテーマを選びました」
林原さんは小学校、中学校、そして高校と、公立の学校で学んでいます。
クラスメイトは:
「明るくて元気です」
「明るくてたまに変なこと言うからむちゃ面白いです」
勉学に励み、行事に参加し、友達とおしゃべりを楽しむ「普通の」学校生活。
でも、楽しいことばかりではありませんでした。
(林原さんのスピーチ)
「Because I look different, some said,
”Go home!Go back to your home country!”
Because I look different, when I joined a new community,
some people asked me if I was ”half” and if I could speak Japanese.
Others even made fun of my mother.
But I have never felt sorry for my family and myself.
There is nothing to be ashamed of.」
【日本語訳】
「人とは違った見た目から、「国に帰れ!」と言われたこともありました。みんなと違うから、環境が新しくなるたび「ハーフなの?」と聞かれたり、「日本語が話せるの?」と聞かれたりすることもありました。母のことをからかわれたこともありました。でも、私は家族や自分のことをかわいそうだと思ったことはありません。恥じることは何ひとつありません」