「白い雨」。

それは過去、幾度となく災害に見舞われてきたこの地域で、「土石流の予兆」として言い伝えられてきたものです。

■早川親利さん
「雨があまりにも大きくて、空中で雨と雨がぶつかる。また跳ね返って雨がぶつかる。それによってそこにも霧が発生する。その霧によって白く見えるというのを白い雨というふうに私は解釈していました。田んぼから水が溢れている、雨樋から溢れている状態で、これはちょっと異常だなと」

1時間ほどで雨は小降りになりましたが、その後、土石流が発生しました。

■早川親利さん
「その2波(2度目の土石流)を確認して、すぐ役場に行って、何かお手伝いすることないかなって…」

町の元職員だった早川さん。

しかも20年以上災害担当を務めていて数々の災害対応を経験していました。

そんな自分だからこそ、できることは何か…

■早川親利さん
「ちょうど薄暗い時だったから、もう今、現場写真を撮らないかんと思って」

発生直後、役場の職員は住民避難などの対応に追われていました。

日が暮れ始める直前、早川さんは許可を得て現場に入り、デジカメを手に写真を撮影して回ったといいます。

■早川親利さん
「もう道は歩けないから田んぼの畦畔だとか山際だとかもう道なき道を。とにかく押さえとかないといけないかなという感じで」

写真はすぐさま町と報道各社に提供され、情報の少ない段階で現場の被害の状況をいち早く伝えるとともに、その後の記録にも役立てられました。