半世紀以上にわたって続いてきたガソリンの暫定税率が年内に廃止されることになりました。ガソリン価格はいつから、どれくらい引き下がるのでしょうか。

都内のガソリンスタンドには、きょうも給油に訪れる人たちが。

利用者
「昔に比べたら全然高くなっているから、安くなって欲しいなというのは、いつも思っていること」

物価高が続く中、期待を寄せるのが“ガソリン減税”。いまの臨時国会で焦点の一つとなっていて、1リットルあたり25.1円かかっている暫定税率の廃止に向け、与野党の間で調整が続いていました。そして、きょう…

自民党 小野寺五典 税調会長
「私ども実務者間での合意文案につきまして一致をみた」

立憲民主党 重徳和彦 税調会長
「51年続いてきた暫定税率を年内に廃止することができたということが非常に画期的なことだったと思います」

与野党6党の税制担当者は12月31日に暫定税率を廃止することで合意しました。

これにより、現在173円程度のガソリンの価格は158円程度まで安くなる見通しです。

現在、10円の補助金を11月13日から2週間ごとに5円ずつ引き上げ、12月11日からは暫定税率分と同じ25.1円にします。その後、暫定税率は12月31日に正式に廃止される運びです。

利用者
「ガソリン税率廃止はドライバーにとって、すごくありがたい」
「助かるよね、一般市民にはね」

物価高対策として評価する声があがりました。

ただ、頭を悩ませているのは給油所です。

西綾瀬サービスステーション 三枝直樹 店長
「影響をうけるのは我々ガソリンスタンドで働く人間」

17年前。2008年4月、暫定税率が一時失効した際には、安くなったガソリンを求めて深夜まで大行列ができました。さらに、高い税率で仕入れた在庫を安く売らざるを得ず、全国の給油所で多額の損失が発生したのです。税率が変わる時期についても…

西綾瀬サービスステーション 三枝直樹 店長
「なんでそんな一番忙しい一年の終わりにやるんだろう。現場とか働く人のこと考えてない」

流通の混乱を避けるため、自民・維新・公明の3党は当初、「暫定税率を廃止するまで一定の期間が必要」という業界側の要望を受けて、来年1月以降の廃止を検討していました。しかし、年内廃止を強く求める野党側に大幅な譲歩を迫られた形です。

ガソリンの暫定税率廃止で穴があく、1兆円の代替財源については…

自民党 小野寺五典 税調会長
「法人税関係租税特別措置の見直し、極めて高い所得の負担の見直し等の税制措置を検討する」

法人税の優遇措置の廃止など安定財源を確保することで来週11月5日に正式合意する見通しです。