牛乳に比べ脂肪分が少ないため、さわやかな味わいが楽しめるといいます。

■中村佳美さん
「くさみとかそういうのじゃなくてヤギの香りがあってそこに甘みとかそういうのがあってさっぱりもあってっていう。ヤギの背中をかいだ時に太陽とかそういうのの香りがするんですけどそれと同じ香りがします。可愛いにおいだなって私は思ってます」

クセがなく、甘みがあるというヤギのミルクは、6年前、市内に作った自社牧場で生産しています。

ヤギの世話をしているのは、夫の悠基(ゆうき)さん。

3月から出産が始まり、5月末まで続々と赤ちゃんが生まれ、今は30頭ほどを飼育しています。

搾乳が始まりました。

■中村悠基さん
「これ今搾乳するときに美味しいものもらえるんで、みんなそこに順番待ちしています」

ヤギが我先にと食べ始めたのはリンゴです。

中村さん夫妻はもともと果樹農家で、市内と東御市(とうみし)でりんごやブドウなどを栽培しています。


生産の過程でどうしても出てしまう規格外の果物をヤギのエサにしています。


■中村悠基さん
「もったいないからリンゴをあげたいという所から始めていてシャインマスカットの出荷するときにいらない粒とかとるんですけど、そういうものをヤギが食べてくれてそのヤギの乳を搾ってチーズで美味しく人間が食べられればいいかなと思って」

上田市出身の悠基さんは、2年間、地元のJAの子会社で研修を受け、25歳で独立。

果樹農家になろうと思ったきっかけは、農業に対する危機感でした。

■中村悠基さん
「外国から輸入しているとどうしてもリスクがあるなっていうのが改めてこの1、2年で分かったと思うんですよね。肥料も倍の値段になって飼料も倍になって廃業していく農家さんもいっぱい出ちゃっていてっていう中で持続可能性を求めていくならやっぱり地元でいろんなものを作っていくというのが一番いいのかなと」

エサには、果物のほかに、近くの精米所で出る米ぬかや市内の酒蔵の酒粕も使っています。

さらに、今年からは地元のコメ農家と協力して稲を材料にした飼料作りにも乗り出しました。

■中村悠基さん
「日本の農業を守るところを会社の理念としてそれを目標に進んでいるところなので、この地域だけじゃなくて広げて日本ぐらいの規模でどうにかエサはやっていきたいなと」

■中村佳美さん
「ヤギを飼っているところで新しくチーズ工房を建てて、観光もしながらヤギも見ながら食べたりできればいいなって、上田を盛り上げていきたいなって思います」

地元を、そして日本の農業を盛り上げたい。

夫婦の夢は広がります。