かつてのにぎわいが戻ってきた高遠城址公園。
待ち望んでいたのは観光客だけではありません。

■西村さん「咲くまではドキドキするが、咲いてくれればホッとする」
公園内の桜を管理する桜守(さくらもり)の西村一樹(にしむら・かずき)さん。
20年近く桜の手入れを続けています。
コロナ禍で祭りが中止になったときでも、変わらず桜に愛情を注いできましたが、寂しさもありました。

■西村さん「やることは変わらないが咲いたとき、4月の満開のときに公園に誰もいないというのがすごくさみしい気持ちがあった」
現在、西村さんたちが進めているのが、木の「世代交代」です。
およそ150年前の明治初期から桜を植え始めたという高遠城址公園には、樹齢100年を超える桜も多く、木の維持管理とともに若返りが課題になっています。



■西村さん「左の木が古くなっている。これが親でそのすぐ脇に子…ヒコバエという枝を出す それを残してここまで成長していった。成長を見るとうれしく、やっている甲斐があると思う」
西村さんたちが年間を通して手入れを行い、満開を迎えた桜。
今年も見る人を魅了します。

■西村さん「笑顔を見ればもちろん素直にうれしいと思う。花を見て気持ちが和らぐというかリラックスできるというのはこの季節ならではと思うので、高遠に来て春を感じてほしい」

500円で案内する恒例の「ワンコインガイド」も4年ぶりに復活しました。

ボランティアガイドの会長を務める原弘幸(はらひろゆき)さん。
これまでは密を避けるため観光客との距離を保ってきましたが、制限なく交流できることに喜びを感じています。

■原さん「観光客とガイドが交流して楽しんでいる。お客さんが喜んでいるところを見ると私もうれしい」
多い時には10組以上を案内するボランティアガイド。

桜だけでなく、地域にも興味をもってもらいたいと考えています。


■原さん「自分の目で見て桜を楽しみ、歴史を楽しみ地域のことを知ってほしい。地域の人たちの努力で守り育ててきたというのが、いまここへきて花開いている。これからもガイドとして地域の人たちと一緒に守り育てていきたい」
多くの人が待ち望んだ、さくら祭りのにぎわい。
これからも地域の人たちが中心となって、大勢の観光客を満開の桜のもとで迎えていきます。












