(レポート)「今新清水ジャンクションに入りました、ここから中部横断道がはじまります」

佐久市への即日配送を可能にさせたのが、高速道路「中部横断自動車道」です。
2021年8月に山梨県甲斐市から静岡市までのおよそ74キロが全線開通。

それまで、静岡市から下諏訪町までは片道4時間ほどかかっていましたが、現在はおよそ2時間と半分に短縮されたといいます。

魚を待つ佐久市のスーパーえちごやでは、以前は主に新潟県など日本海側から魚を仕入れていました。

(熊木茂雄社長)「仕入れ先(日本海側)がここ数年でかなり細くなってきまして、いろんな魚種が手に入らなくなってきた、廃業されたり天気、しけがあったり、日本海側は多いので(道が開通するまで静岡から即日仕入れは?)不可能でしたね」

中部横断道の開通を機に、清水銀行が、スーパーえちごやと丸松水産をマッチングし、1月から週に一度配送が行われています。

仕入れた魚は、朝8時すぎに丸松水産の下諏訪町の拠点に到着。
あたりは穏やかな朝を迎えたばかですが…。

魚をおろすなどの下処理を大急ぎで行います。
この日は旅館や飲食店など3、40件の注文が入っていて、この時間にすべて準備。

午前10時すぎに佐久市に向けて出発しました。
海からやってきた魚は標高およそ1900メートルの高原を抜け…。

市場を出発してからおよそ6時間、正午にはスーパーに到着しました。
すぐさま生の本マグロの半身、およそ70キロをさばきます。
昼すぎには店頭に並びました。

値段は少々高めに設定していますが、訪れた人は次々と新鮮な魚を買っていきました。

「イチオシですよ、最高ですよね、ありがたいと思います、食感が違います」

「おいしいからねいろいろと、いいもの努力していろいろ入れてくれるからどうしても来ちゃうんだよね」

丸松水産では、現在は週に1度のペースで配送していますが、今後、需要が増えれば、日数を増やし、エリアも広げていきたいと考えています。

(松浦社長)「海なし県なので静岡に食べに行くよとか海のほうまで食べに行かれている方すごく多い、現地にいて最高のものを食べていただけるよう僕らが存在していると思っているので、よりよくより早くいいものをお届けできるように積極的にやっていきたい」

(熊木社長)「朝あがったものが店に並ぶことが一番の強みだと思いますので交通がもっと良くなればいろんなものが届いたりこっちからもいたりできると思うので継続的に魚を仕入れていきたいと思います」

日本で最も海から遠い場所・佐久地域でも新鮮な魚が手に入る時代に。交通網の整備で可能性が広がります。