続いて別の質問も投げかけられた。
「あなたは自転車で学校に向かっています。登校時間がギリギリになりました。前の信号が黄色に変わりました。まだ黄色です。赤ではないですよ。このとき、あなたならどうしますか」
一人の生徒が答えた。
「危なそうだから、車が突っ込んできたりして危なさそうだから、ちゃんと止まります」

「ありがとうございます。もうこれも満点です。道路交通法で黄色は『止まれ』なんです。黄色は止まる勇気を持ってください」
田原さんは、前日に参加した交通安全セミナーで聞いた話も紹介した。
「長野県の皆さんというのは、交通ルールをすごく守るということで有名です。信号のない横断歩道で、車が歩行者のために止まる割合が、長野県は85~88パーセント。10人中9人が止まる、全国1位です。ちなみに大阪府は23パーセントで、ほぼ最下位。5人に1人しか止まりません」
交通安全の意識が高い長野県の若者から、全国に向けて交通安全を発信してほしい──田原さんは高校生たちにそう呼びかけた。【後編】に続く
【軽井沢町のスキーツアーバス転落事故】
軽井沢町の国道18号碓氷バイパスで、2016年1月15日午前2時前、都内から県内のスキー場に向かっていたスキーツアーの大型バスが、カーブを曲がりきれずに道路脇に転落。大学生13人と運転手2人の計15人が死亡し、26人が重軽傷を負った。長野地裁は2023年6月、業務上過失致死傷罪に問われたバスの運行会社の社長に禁錮3年、当時の運行管理者の元社員に禁錮4年の実刑判決を言い渡した。両被告は控訴し、2025年11月に東京高裁で控訴審が始まっている。












