飯田市で13日に予定されていた、伝統の「風越山(かざこしやま)トレイルマラソン」が、クマの目撃情報が相次いでいることから中止されることになりました。
70年以上続く歴史の中で、クマ出没による中止は初めてだということです。
飯田市の佐藤健市長が7日午前の記者会見で明らかにしました。
飯田市では市街地の西側を南北に走る中央道を挟んだ一帯で、5日からクマの目撃情報が相次いでいて、市によりますと7日の朝までに合わせて11件に上っています。
5日には、「風越山トレイルマラソン」の発着点になっている今宮町の今宮野球場の近くでも目撃されていました。
市では、コースに配置する走路警備員に、クマ用のスプレーや、音の出るラジオを持たせるなどの対応を取ることにしていましたが、付近での目撃情報が相次ぎ、参加者らの安全を確保するのが難しいと判断したとして、大会の中止を決めました。

「風越山トレイルマラソン」は、1925年大正14年に始まったとされる歴史のある大会で、1948年昭和23年に第1回大会として開催された後は一時中断された期間があったものの、71回目となる2025年の大会には、遠くは沖縄県など全国各地から378人がエントリーしていました。
中止の決定を受け、市では、これからメールや電話で参加者に連絡するということです。