大町市の職員が去年、発注した工事の予定価格を業者に漏らしていたとされる事件の裁判が開かれ、検察は職員に懲役1年6か月を、元社長に懲役1年をそれぞれ求刑しました。元社長は公判で少なくとも10年ほど前から業者間の談合があったと話しました。

公契約関係競売入札妨害などの罪に問われているのは、大町市の職員で57歳の男と、神奈川県に本社を置く電気設備会社の65歳の元社長の男です。

起訴状などによりますと、職員は大町市が去年発注した図書館や運動場の照明をLED化する工事の一般競争入札で元社長に予定価格を教えていたなどとされています。

長野地裁で開かれた初公判で2人は、起訴内容を認めました。


冒頭陳述などで検察側は、2人は同じソフトボールチームの先輩後輩で頼みを断りづらいという、甚だ安易な理由による犯行などと指摘。


職員は「ソフトボールや地域のつながりがあり、断れなかった」と認めたうえで、見返りはなかったとしました。

一方、元社長は少なくとも10年ほど前から業者間で市の工事の落札者を決める談合が行われたとし、他の職員からも予定価格を聞いていたと話しました。

裁判は即日結審し、検察は職員に懲役1年半を、元社長に懲役1年を求刑しました。

一方、弁護側は職員については元社長の従属的な立場だったなどとして、罰金刑が相当とし、元社長については執行猶予付きの判決を求めました。


判決は10月16日に言い渡されます。