郷土料理の値上がりは隣の富山県でも。
富山ます寿司協同組合 大郷磨(おおご・おさむ)理事長:
「早いところは、おそらくこの春ぐらいには価格に転嫁されるんじゃないかというふうに思っています。やっぱり200円上げざるを得ないと思います」
富山を代表する名産品「ます寿司」。
薄紅色のマスが酢飯にのった押し寿司で、発祥は江戸時代とも言われます。
富山ます寿司協同組合によりますと、加盟する12店舗のます寿司1段の販売価格は、10年ほど前は1300円前後。
その後、マスやサーモンの価格高騰を背景に年々上昇し、
2023年には、ササなど包装資材の高騰も加わり、
1800円~2300円ほどに上がりました。
そしてこの春にも、再び値上げに…。
理由は、コメの価格高騰です。
農林水産省によりますと、JAなどの出荷業者と卸売業者との取引価格は、
1月の時点で2024年の同じ時期に比べて、1.7倍にまで上昇。
比較可能な平成2年以降で過去最高の価格を更新しています。
富山ます寿司協同組合 大郷磨(おおご・おさむ)理事長:
「すし飯にするときにあまりべちょっとしない形がいいと思いますので、
お寿司に関しては古米が合うと思います」
多くの店舗が、酢飯(すめし)の食感を良くするため、水分を多く含まない古米を使用。そのため、古米から新米に切り替わるタイミングで、次の値上げの波が来るとみられています。
富山県の「ますのすし本舗千歳(ちとせ)」では…。
富山ます寿司協同組合 大郷磨(おおご・おさむ)理事長:
「こちらは令和5年度産の古米になります」
記者:「いつ頃このお米はなくなる?」
富山ます寿司協同組合 大郷磨(おおご・おさむ)理事長:
「今年の夏から秋にかけて切り替わるというふうに思っています」
古米の在庫が尽きれば高い新米を使うことになります。
店によっては、すでに古米が切れて新米を使っているところもあり、3月から値上げが始まるところもあるということです。
富山ます寿司協同組合 大郷磨(おおご・おさむ)理事長:
「今でもかなり原材料費の占める割合っていうのが大きいんですけれども、これ以上やはり原材料費が高くなるとどうしても価格に転嫁せざるを得なくなります」
富山の郷土食として、また長野県民にとってもおみやげなどとして長く親しまれてきた「ます寿司」が「高嶺の花」にならないよう願うばかりです。